ERP知識シリーズ オーダーステータスの理解

ここで言うオーダーステータスとは、受注、購買、製造などのトランザクションに関するステータスのことです。

オーダーステータスの重要性:
オーダーにはそれを分類するコードが存在し、そのコードはビジネスプロセスパターンを表します。このパターンはオーダーの処理が進むにつれて、修正できることとできないことが絞られていきます。これは業務上非常に重要であり、ユーザーからもプロジェクトでよく質問されることでもあります。

ビジネスプロセスパターンの例:
例えば、受注オーダーであれば、ビジネスプロセスパターンは通常受注、工場直送、仕入先直送などです。変更可否を確認する主要項目には納品場所、納期、数量、単価などがあります。

ステータスの変化:
次に、何の処理をした時にオーダーステータスがどう変わるのかを整理します。例えば、受注オーダーで在庫を引き当てたら、ステータスが20(受注確定)から30(在庫引当済み)に更新されるというものです。これは、ビジネスプロセスのパターンによって異なりますので、コード分類をマトリックス化すると良いでしょう。縦軸にビジネスプロセスパターン毎のコード、横軸にオーダーステータスを挙げ、その組み合わせとしてERPの各処理を示します。このような整理は操作マニュアルにも活かせるでしょう。

プロジェクト初期での知識習得の利点:
オーダーステータスをプロジェクトの初期段階でプロジェクトメンバーが習得しておくことで、「受注オーダーの在庫引当を解除できるようにする」といった要求は起票されなくなります。それよりも業務が新しいシステムにどのようにマッチするかを早期に確認できることが重要です。

まとめ:
新しいシステムの業務適合評価のためには、ERPを用いた実機検証が重要です。その検証の品質は、ビジネスプロセスパターンの網羅性に大きく依存します。今回ご紹介した「オーダーステータスの理解」は、ユーザーの単発的な質問に答えるだけではなく、業務全体を体系的に理解していただくことに役立ちます。これにより、プロジェクトの初期段階での効率的な知識習得が可能となり、システム適用の成功につながります。